美作地方の祭りで1年の最後を飾る「霜月狼宮大祭」が13から15日まで、桑上の貴布禰神社で開かれ、参拝者が家内安全や厄よけなどを祈願した。
境内に鎮座する奥御前神社の大祭で「狼様」と呼ばれる。火災や盗難、疫病よけなどに霊験があると言われ、訪れた人たちはオオカミが好むという塩を供えたり、社務所で神札やお守りを買い求めたりした。
崇敬者が家などで祭っている木の小宮を持って参拝する珍しい風習があり、かつてはそれを背負って訪れることが習わしだった。訪れた人たちは本殿で祈とうを受け、新たな分霊(わけみたま)を迎え入れた小宮を布に包んで大事そうに持ち帰っていた。
初日は地元の秀実小学校の3、6年生が地域学習の一環で参拝。3年生の教室には小宮があり、神職から「1年間、勉強や運動を頑張ってください」と言葉をかけられ、小宮を受け取った。
3年生の井尾陽菜さんは「地域のことが勉強になった。みんなで勉強や運動を頑張っていきたい」と話した。
境内には、たい焼きや乾物などの露店のほか、キッチンカーも出店した。