小原の丸尾悦子さん(90)が、第114回岡山県短歌大会(岡山県歌人会など主催)で最優秀賞の県知事賞を受賞した。昨年の秋の大会で受賞して以来二度目の快挙。「思いがけないことが起きてうれしい。光栄に思う」と喜びを語った。
「癒ゆるなき孫の背を揉むわが汗は涙にまじりその背に落ちぬ」。病をかかえる身内とその家族への思いを込めた。受賞作は144首の中から選ばれた。
丸尾さんが短歌に興味を持ったのは戦時中の女学生だったころ。苫田郡津山町(現津山市)の歌人・尾上柴舟の歌を読んだ時、大きな声で上手に読むと当時の国語の教員に褒められたのがきっかけだった。卒業後も万葉集や柳原白蓮などの短歌を研究しながら過ごしていた。
70歳になり、本格的に取り組もうと、短歌会「あさかげ津山支社」に入り、当時指導をしていた中島一男さんのもとで学んだ。久米南町里方の短歌会「地中海・岡山支社」(中島義雄支社長)でも歌作りに励み、切磋琢磨(せっさたくま)をしながら県内外で開かれる大会に出品をしてきた。
「これからも多くの作品を作り、100歳まで挑戦し続けいきたい」と話す。
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賞状を手にする丸尾さん