岡山県真庭市蒜山地方の春の風物詩・山焼きが始まった。枯れ色の山肌をオレンジ色の炎が駆け巡り、黒色に一変させる壮大な光景が広がっている。
草花の芽生えを促すとともに、サクラソウの群生や希少な昆虫・フサヒゲルリカミキリなど貴重な動植物の生育・生息地の保全にも役立つ。高齢化で山焼きの継続が困難になる中、ボランティアが活動を行っている。
同市蒜山上徳山地内で行われた6日の山焼きは、自然環境や地域の文化伝統を守ろうと、蒜山自然再生協議会の呼びかけで約70人が参加。遠くに残雪の大山を望む中、枯れ草に火を放つと、炎はバチバチと音を立てて燃え広がり、山肌や大地は一面が黒く染まった。
この日は約50ヘクタールを焼き、ボランティアたちは水の入った消火用器具を背負い、飛び火がないかなどを見守った。写真愛好家らも訪れ、伝統の行事にレンズを向けていた。