赤々と夜を彩る 「火まつり」で800本のかがり火 「地域の伝統受け継いだ」/岡山・真庭市

祭事・神事・法要 神火をたいまつへ移す年男・年女の小学生たち=岡山県真庭市=
神火をたいまつへ移す年男・年女の小学生たち=岡山県真庭市で
         

 岡山県真庭市上水田の郡神社の火まつり(上水田郷親会主催)が15日、同神社や周辺で開かれ、日暮れとともに、周辺の田んぼや参道、備中川土手沿いに約800本のかがり火がともり、赤々とした光が夜を彩った。

 同行事は米の豊作を願い、稲につく病害虫を駆除するために田んぼの周りに火をたいたのが始まりといわれ、約50年前から同神社の夏祭りに合わせて行われている。コロナ禍を経て、約4年ぶりに点火式に地域の子どもたちが参加した。

 午後7時半に神社の灯明(とうみょう)から神火が採取され、たいまつを持つ年男・年女の小学6年生6人のもとへ。6人は受け取った火を掲げて境内を周った後、参道を抜けて神社前に用意された燭台(しょくだい)へと移した。

 また、過去3年間行事に参加できなった中学生たちも田んぼのあぜ道などに置かれた燭台に火をともした。最後には約1700発の花火が打ち上がり、訪れた地域住民らは目の前に広がる幻想的な田園風景とともに楽しんだ。

 年男として参加した北房小6年・梶田晃平君(11)は「たいまつを持つのは緊張したけど、うまくいってよかった。地域の伝統を受け継いだという感じがして少し誇らしい気分」とにっこり。同会の中山一正会長(43)は「点火式が本来続けてきた形式にもどれてよかった。伝統を絶やさないように地域住民たちとともにこれからも頑張っていきたい」と話していた。


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