岡山県美作市粟井中の春日神社秋祭り前日の12日、氏子たちの無病息災や安全を祈願する神楽舞が、同神社で行われ、地元の小中学生の女子3人が軽やかな踊りを神前に奉納した。
粟井睦夫宮司(82)によると、神楽は「粟井春日歌舞伎」とともに神賑行事の一環として古くから伝わっており、元々は神職が行っていたが約30年前から地区に住む女の子たちが取り組むようになったという。
この日は、東西南北、中央と五つの方角に祈りを捧げる「五方舞」を披露。巫女装束に身を包んだ女の子たちは、鈴と御幣を手に太鼓の音に合わせて拝殿を歩き回り、各方角と本殿に向かって拝礼するという独特の動作を繰り返して舞った。集まった氏子らはその様子を静かに見守っていた。
神楽舞に参加した絹田菜桜さん(12)=江見小6年=、黒澤佳来さん(13)=作東中1年=、梅澤美悠風さん(15)=同中年=は「舞うことで神様から力がもらえるような神秘的な感じがした」「地域を守ってもらえるように、上手に踊ろうと頑張った」「中学3年で引退を迎える。地区に住む子どもの数が少なくなっているけど、大切な伝統をみんなで頑張って守ってほしい」と語った。
粟井宮司は「こうして地元の子どもたちが祭りに参加してくれることで地区がにぎわう。とてもありがたい」と話していた。
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