ミニ企画展「お正月展―辰―」が岡山県津山市山下の津山郷土博物館で開かれ、来年の干支(えと)の辰(たつ)にまつわる絵画や資料などに来館者が見入っている。1月14日まで。
所蔵、収蔵品の中から6点を展示。このうち江戸後期の津山藩お抱え絵師・狩野松甫と、同藩士で画才のあった飯塚竹斎がそれぞれ描いた水墨画「富士越龍図」は、淡いにじみと線描で雲間にうねるようにのぼる竜の姿を表現しており、いずれも味わい深い。昭和期に服飾デザイナー・画家として活躍した故庄野ヒカルが辰の郷土玩具を描いた色紙も並ぶ。
このほか、江戸期に美作国内の庶民の年中行事などを記した「諸国風俗塔問状同書上」の抜粋には、日照りが続くと水神の「龍王」に雨乞いをする儀式の様子がつづられている。
同館では「空高く駆けのぼる竜と富士山は縁起の良い画題とされており、津山藩ゆかりのふたりの秀作をこの機に鑑賞してほしい」としている。
午前9時~午後5時(入館4時半まで)。月曜休館。29日~1月3日と9日、10日も休館。