岡山県真庭市勝山と鳥取県倉吉市関金町を結ぶ計画だった幻の鉄道路線・国鉄「南勝線」について語る「令和に南勝線建設会議」(真庭市主催)が15日、真庭市上河内の美作追分駅で開かれ、鉄道ファンが話に花を咲かせた。
真庭市地域おこし協力隊の石橋整さん(34)が発起人で、28日~11月24日に県北を中心で開催する「森の芸術祭」を契機に発足した団体・MANIWABAUM(マニワバウム)が企画。最終的な目標を「南勝線跡地」として廃駅や廃線を模したフォトスポットをつくると定め、全3回の予定で実施する。
初回は市内外の10~70代の13人が参加。鉄道に詳しい就実大学の小西伸彦特任教授から県北の鉄道に関する歴史を学んだ後、「もし計画が実現したら」という想定で「架空鉄道」談議を行い、運行経路、沿線上付近の住民の生活の変化、観光への影響といった話題で盛り上がった。このほか、鉄道グッズや駅弁のメニューを考えるなどした。
南勝線は大正から昭和時代にかけて姫新線・中国勝山駅ー倉吉線・山守駅をつなぐ目的で進められ、1974(昭和49)年5月9日に起工式が執り行われたが、85(昭和60)年の倉吉線廃止に伴い、未成線のまま計画は打ち切られた。小西特任教授は昭和50年代、自家用車の普及により、赤字路線の増加が影響しているとみている。
湯原地域に住む勝山高校2年の山本翔汰さん(17)は「勝山、湯原、蒜山を結ぶ路線があれば通学や買い物、観光が便利になった。真賀温泉に停車駅があればより多くの人が訪れたかもしれない。残念に思う」。発起人の石橋さんは「現在浮上している赤字ローカル線存続問題について考えてもらえたら。さらにこの取り組みが姫新線の利用促進につながるとうれしい」と話していた。
次回は鉄道の日に定められている10月14日に開催。今回考えた駅弁を再現した弁当を試食するほか、姫新線の列車に乗車する。