弥生の里文化財センター企画展「発掘調査からわかる美作国府跡」

歴史・文化
         

企画展「発掘調査からわかる美作国府跡」が、沼の津山弥生の里文化財センターで開かれている。道路改良工事に伴って昨年、市が山北地内で行った発掘調査のパネル展もあり、木組みの井戸などが見つかったことを報告している。4月8日まで。
 美作国府跡は奈良時代に置かれた国を統括する役所の遺跡。市は昨年6〜10月、都市計画道路・総社川崎線の道路改良工事に伴い、国府の中核である政庁の南東側で発掘調査を実施した。
 調査区北側で見つかった井戸は掘り方1辺約2・7㍍の隅丸方形で、底は円形に1段深く掘り下げてあった。井戸枠は1辺約80㌢の木製で、内側にロの字に組んだ枠木と支柱を交互に重ね、外側に長い板を重ねて立てかけた構造で、釘は使われていない。井戸からは土師器や勝間田焼の小皿などが出土。おおむね12世紀半ばの土器であることから、井戸は平安時代に埋められたと考えられるという。
 また調査区北東部では溝が見つかった。南北方向に延び、残存幅約3・3㍍、深さ約50㌢。底では柱穴が検出された。埋土からは井戸と同じ平安時代と推測される土師器の小皿などが出土した。
 国府がいつまで続いていたかはいまだ、明らかになっていない。同センターは「両調査区とも奈良時代の国府に関連する遺構は確認できなかったが、平安時代の遺構の広がりを確認することができた」としている。
 企画展では、県と市が過去に行った調査の出土遺物100点を展示。国府が置かれる以前の弥生時代〜古墳時代、置かれた後の時代の遺跡の様子を紹介している。石器や土器、方頭大刀の柄頭、軒丸瓦、灯明皿、希少品の風字硯(ふうじけん)などが並び、訪れた人たちはかつての姿を想像しながら興味深そうに見学している。
 土日、祝日休館。入場無料。


1見つかった井戸の写真パネル

2ずらりと並ぶ美作国府跡の出土遺物


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