津山高校で美術教諭を務める彫刻家・川村洋平さん(37)=赤磐市=の彫塑作品が、第3回ゆくはし国際公募彫刻展「ゆくはしビエンナーレ2021」(同実行委主催、福岡県行橋市共催)で「市民賞・子ども大賞」を受賞した。
同ビエンナーレは具象が対象で、今回は明治期の同市の文化人「末松謙澄」をモチーフにし、世界6カ国から応募された32点(頭像+全身像の試作)の写真とコンセプトから専門家らが一次審査で5点を選出。昨年7月に大賞は決定したが、8〜11月に市内で5人の10作品が展示された中、川村さんの作が来場者の一般、中学生以下ともに最多得票を得て両賞が決定した。
受賞作「起草する末松謙澄」は、粘土からFRP(強化プラスチック)で型取りした等身大の頭像と、石粉粘土の座像(高さ約30㌢)で、激動の時代に国内外で活躍し〝知の巨人〟と称された人物に肉迫。
「写真から感じた知性と秘めた情熱を、凛(りん)としつつもくつろぐ姿に込めた。座像は執筆も手掛けた人物の姿に、遊び心で椅子の背もたれを本にしてみた。大賞を逃したのは残念だが、地元の皆さんに私の表現が通じた思い」と川村さん。
倉敷芸術科学大学芸術学部を経て、美術教諭の傍ら自宅のアトリエで制作活動を継続。生命力あふれる肉体美の彫塑などを県内外に出展しており「今後も具象をモチーフにさまざまな手法で作風を模索していきたい」とさらに意欲を燃やす。
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川村洋平さん
彫刻家・川村洋平さん、第3回ゆくはし国際公募彫刻展「ゆくはしビエンナーレ2021」
- 2021年1月26日
- ひと