「作州忍者鶴山隊」(河部克己隊長)発足5周年に合わせた記念事業「作州忍者鶴山隊の陣」が11日、岡山県津山市新魚町のベルフォーレ津山で開かれた。忍者研究の第一人者で、三重大学人文学部の山田雄司教授が津山と忍者の関わりなどについて話した。
山田教授は、忍者は幅広い知識と優れた記憶力やコミュニケーション能力で情報収集などを行っていたと前置き。江戸時代に津山藩主の森家に仕えた甲賀忍者の一派・伴氏ついて史料を交えて紹介した。
本能寺の変(1582)で伴惟安が、人質となった森忠政と母・妙向尼を安土から救い出した功績によって、翌年から森家に仕えるようになったと説明。さらに仙術に長(た)けていた惟安の子・惟利は、忠政が津山藩主となった慶長8年(1603)には足軽50人を率いる藩士になり、忠政の密旨を受けて津山城の天守閣の屋根を四層に見せて城を守った経緯も解説した。
このほか伊賀忍者と思われる者が津山城に忍び込み、城内の絵図を作ったという記録も見られ、「実際に津山城には忍びがおり、さまざまな活動をしていたことが伺える」と述べ、市民ら約人が興味深そうに耳を傾けていた。
同隊は2019年に有志で結成され、津山城さくらまつりなどのイベントへの出店や城下の清掃、歴史勉強会などを行っている。河部隊長は「今後も活動を通じて津山を盛り上げていきたい」と話している。