茶道裏千家淡交会津山支部(山本雅彦支部長)は2日、利休忌と茶せんの供養を岡山県津山市の聖徳寺で開き、茶聖をはじめ先人や亡くなった同門らの慰霊法要を営み、愛用した道具に感謝の気持ちを捧げさらなる精進を誓った。
安土桃山時代の茶人・千利休の命日(旧暦2月28日)にちなみ、3月の第1日曜日に実施している恒例行事で、同会の役員や会員約70人が参加。茶せん供養が境内で行われ、阿形覚昇住職(60)が読経する中、供養鉢の上に乗せられた使い古しの約80本に火がともされた。降っていた雨も止み、勢いよく燃える炎に包まれていく茶道具を見守りながら参加者は静かに手を合わせた。
供養に先立ち、本堂では利休忌が開かれ、厳かな雰囲気の中、真庭市落合で教室を開く茶名・土井宗靜さん(72)が点てた茶を掛け軸に描かれた「利休座像」に供え、故人の遺徳をしのんだ。
供茶を執り行うにあたり、初めて参加者の前でお手前を披露した茶道歴36年の土井さん。「故人を偲ぶ大切な法要。緊張しつつも一緒に茶道を学んできた仲間や先輩方を思い浮かべながら心を込めて点てて差し出した。茶せんに対しても敬意を持って見送った。道具があってこそ茶を点てることができる。大切にしていきたい」と話していた。
