戦争などを取材する報道カメラマン・渋谷敦志さん(東京都)を招いた講演会が1日、岡山県鏡野町の鏡野中学校で開かれた。生徒たちはウクライナの現状を伝える写真を通じて、平和の大切さや命の尊さについて考えた。
はちみつ生産が盛んなウクライナの戦争被害者への支援を行う山田養蜂場の後援で実施。全校生徒と教員約330人が参加した。
渋谷さんは「写真は読むものでもある」と前置き。ミサイル攻撃で破壊されたハルキウの集合住宅、民間人の虐殺が起きたブチャにある教会の司祭の姿、小学校の地下に監禁された経験を語る女性など、現地で撮影した生々しい写真を映し出しながら語りかけた。
「『戦争反対』と言うことは、ウクライナの人々に抵抗をやめろと言うことに等しい。どういう言葉を投げかけたらいいか考えてほしい」「今後は国と国との国際関係ではなく、人と人の『民際(みんさい)関係』を通じ、異文化や異なる考え方を交換し、分かり合えなくてもつながってほしい」と訴えた。
生徒会長の植木喜大君(3年)は「この戦争は遠くで起きていることでも自分たちの生活に深く関わっているので、これからも関心を持ち、できることをしていきたい」と話した。
講演に先立ち平和集会があり、各学年がウクライナ侵攻、沖縄と平和などのテーマで発表を行った。