護身や無傷無病などに神徳のあるパワースポットとして全国的に知られる岡山県津山市加茂町の「サムハラ神社奥の宮」は、大型連休を利用して県内外から訪れる参拝者でにぎわっている。
晴天の2日には午前中から日詰山の参道下に続々と乗用車が詰め掛け、駐車場には大阪や神戸、広島、山口などのナンバーがずらり。夫婦や家族連れらが新緑まばゆい奥の宮の境内に並び、拝殿に手を合わせた後、発祥地とされる山懐の「奥殿」を探訪したり、不思議な光が写るとうわさの一帯をスマホで撮影したりしていた。ふもとで扱っている護身の肌守りも人気。
初参拝という大阪府吹田市の会社員女性(62)は「ご利益があった大阪のサムハラ様の元宮と聞いて来た。常連さんが奥殿を案内してくれて幸運だったし、清冽(せいれつ)な気が感じられて来たかいがあった」。3年前から月1回参拝している広島県福山市の会社経営男性(52)は「コロナ禍で社業が不安定になるも何とかしのぐことができ、感謝している。家族と社員の幸せをいつも祈念している」と話した。
戦国時代の石碑が起源とされる同神社は、古事記の中で最高の神とされる天之御中主神(あめのみなかぬし)ら「造化三神」をまつる。明治期以降次第に荒廃し、同所出身の実業家が1935年に社を建て替え、73年には大阪市にも同神社を建立。現在の奥の宮は、絶大な信奉を集める大阪の神社関係者が2005年に建て替え、口コミやネットで数年前から広まった。