岡山県美作地域の囲碁愛好者の新たな注目棋戦となる日本棋院津山支部名人戦(同支部主催)の三番勝負が1月28日、同県津山市小原の同支部囲碁会館で行われた。熱戦の結果、大津寄洋史六段(36)=大谷、県職員=が2連勝し、初の支部名人位を獲得するとともに、七段への昇段も決めた。
支部名人戦は、2016年に惜しまれつつ幕を閉じた美作名人戦の名跡を残しつつ、支部主催の新たに生まれ変わったタイトル戦。1年間を1〜6月の前期と7〜12月の後期に分け、毎月の支部長杯、総当たり戦、希望者による鶴山戦の優勝者が半年に1回トーナメントで行われるチャンピオン戦を戦い、優勝者がそれぞれ支部名人戦へ進出。対戦者の実力に応じて置き石をするハンディ戦となっている。
今回は前期覇者の大津寄六段が黒番で3子を置き、後期を制した杉原正七段(53)=下横野、会社員=が白番で対戦。宮脇章副支部長が「初代支部名人位をかけた素晴らしい対局を期待します」とあいさつ。宮脇副支部長、山口徹副幹事長が立ち合い、持ち時間50分で対局が始まった。
第1局は、黒が3隅を確保して地合を優位に進めた。白は中央の攻防で攻めを試みたものの、黒が手堅く置き石の威力を充分に発揮して石をつなぎ、192手で黒が中押し勝ちした。
第2局は、白が左上で目外しに構え、黒が掛ったところで戦いに。白は黒石を囲って厚みをつくり、反撃の足掛かりとした。黒は手堅く布陣して優勢な盤面を築き、そのまま地合の優位を渡さず黒が198手で中押し勝ちした。
大津寄初代支部名人は「自身初のタイトル獲得でうれしい。3子のハンディ戦なので、事前にしっかりと準備していた成果が出せた。来年も挑戦、獲得できるよう精進したい」。敗れた杉原七段は「あせりすぎて、悪いくせが出てしまった」と話していた。