映像作家・井手豊さん(56)=志戸部=の作品展「零れ落ちた光を集める」が奈義町現代美術館(豊沢)で開かれ、小さな自然や生き物たちの営みに迫った映像に来館者が見入っている。2月6日まで。
県北では3年ぶりの展示で、鏡野町の県立森林公園などで撮影し、約20分間に編集した新作をギャラリーの壁面に映写。
ツノゼミ、コオロギといった昆虫、カナヘビ、ヤマアカガエルなどの姿がみずみずしい緑陰や木漏れ日のゆらぎとともにクローズアップされ、あえて無音にした中に彼らの息づかいが聞こえてくるよう。さらに色鮮やかなキノコが異彩を放ち、朝露の水滴に映る森の景色がきらめく一方、朽ちゆく植物や虫の死がいが命の循環を感じさせる。
「ミクロの視点がとても新鮮で、見たことのない虫の愛らしい仕草、美しいキノコにも癒やされた」と岡山市の会社員男性(38)。
独自の映像制作を続ける井手さんは「視界に入っていながら人があまり気づかない世界、身近にある●小宇宙●を感じてもらえたら」と話している。
映像作家・井手豊さん作品展開催
- 2022年1月14日
- イベント