本年度津山市生涯学習講座「美作学講座」(市、美作大学地域生活科学研究所主催)が23日、同大(北園町)で開かれ、井原市文化財センター研究員で津山市史近現代部会員の首藤ゆきえさんが「明治・大正時代の津山町政」を演題に話した。
市民ら47人が参加した。首藤さんは、旧城下町をエリアとした津山町について、「農業の割合が高い周辺村と異なり、商業と工業の割合が高かった」と前置き。明治20年代の町政の特徴として、津山城跡地を利用して行政・教育機関を設立する傾向があったことを説明した。30年代から大正時代は歳出の25〜60%が教育費だったことをグラフで示し、町単独での津山高等小学校設立といった教育の動きに触れた。
40年代からは商業の町としての発展が色濃くなり、津山電気会社創立、津山産業博覧会開催、作備線の一部が開通し津山駅が開設といった出来事を紹介。膨大な出費を負担して町立の商業学校(現津山商業高校)を隣接の西苫田村に設立したことを挙げ、「津山町域圏が実質的に広がっているのを教育面で示している」と話した。
「近代地方自治制度の下で、城下町津山は独自の発展の形が見られていた」と結び、参加者は最後まで熱心に耳を傾けた。
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「明治・大正時代の津山町政」について講演する首藤さん