奈義町の学校司書を務める松村謙さん（52）＝国分寺＝の刻字作品が、第40回日本刻字展（日本刻字協会主催）で「中日青年交流中心賞」を受賞した。同展への応募は11年目で入賞は初。
受賞作は中国神話の火の神を題材にした「祝融」（縦16㌢、横23㌢）。自筆の文字をカツラ材の板に転写し、浮き彫りにした後、漆で金箔（ぱく）を張っており、荒々しいのみ跡を残した背景をアクリル絵の具で赤茶色に塗っている。
公募による同展（１月20〜26日、東京都美術館）には全国から約１０００点の作品が寄せられ、全作品の上位２賞と四つのカテゴリーがあるうち、無鑑査会員を対象にした３賞の中で最高の同賞に選ばれた。
松村さんは、文字に関わる趣味として２０１０年から刻字を始め、県刻字協会顧問の吉崎努氏（奈良市）に師事。
「木に写し取って彫る際、失われがちな文字の勢いがうまく表現できた作品。刻字には書、刻、彩、三つの要素に自分の持ち味を盛り込める魅力があり、受賞を励みにさらに制作に打ち込み、独自の作風を模索していきたい」としている。
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松村謙さん
中日青年交流中心賞の刻字作品「祝融」
