岡山県津山市の泉水寺で元日未明、火渡りの行が行われ、初詣の参拝者たちが護摩の残り火の上をはだしで歩き、家内安全や無病息災などを祈願した。
煩悩と厄を払い、心身を清めて新年を迎える行事として毎年続けられている。霊泉「天平の泉」のくみ上げに続いて、妙見堂前で修験者がほら貝を吹き鳴らし、厳かに儀式を開始。午前1時前、たいまつで護摩壇に点火し、読経が響く中、願いごとが書かれた護摩木が燃え盛る炎に次々とくべられた。
安東法俊副住職(39)が12月に亡くなった法見住職に代わって大祇師を務め、赤々とくすぶる火床を初渡り。修験者の後を多くの参拝者が続き、胸の前で手を合わせながら神妙な面持ちで一歩ずつ踏みしめた。
合格祈願のお礼参りで来たという鏡野町円宗寺の高校1年・春木ともかさん(16)は「最初は少し怖かったけど、火は全然熱くなかった。今年は勉強と部活動の演劇を頑張りたい」。京町の自営業・下山英男さん(58)は「家内安全とともに1年間健康で過ごせるように願った」と話していた。