下田邑の泉水寺で元日未明、火渡りの行が行われ、初詣の参拝者たちが護摩の残り火の上をはだしで歩き、家内安全や無病息災などを祈願した。
煩悩と厄を払い、心身を清めて新年を迎える行事として続けられている。霊泉「天平の泉」のくみ上げに続いて、妙見堂前で修験者がほら貝を吹き鳴らし、厳かに儀式を開始。たいまつで護摩壇に点火し、読経の中、願いごとが書かれた護摩木を燃え盛る炎に投げ入れた。
火の勢いがおさまると赤々とくすぶる火床を平らに整え、大祇師を務めた安東法見住職(69)が先達となり初渡り。修験者の後を参拝者約20人が続き、胸の前で手を合わせながら神妙な面持ちで一歩一歩踏みしめた。
新型コロナウイルス対策として、例年行う餅まきと甘酒の接待は中止した。安東住職は「コロナが早く収束し、みなさんにとって幸せで健康な一年になるよう心から願いたい」と話していた。
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残り火の上をはだしで渡る参拝者