岡山自主夜間中学校代表で一般社団法人「基礎教育保障研究所」理事長の城之内庸仁さんを招いた講演会が25日、岡山県津山市勝部の津山勤労者福祉センターで開かれ、市民や市議、行政関係者ら約20人が学び直しの場をつくる必要性について理解を深めた。
NPO法人イングリッシュサイズ(福田聖子理事長)主催。城之内さんは「誰一人置き去りにしない教育を求めて〜夜間中学からみえてくること 津山の可能性は無限大〜」を演題に話した。
夜間中学校は、戦後の混乱や不登校などさまざまな事情で義務教育を十分に受けられなかった人たちが通い、文部科学省は都道府県、政令市に少なくとも1校の公立夜間中学校の設置を求めている。教員免許を持つ人が教師を務める公立校に対し、自主夜間中学校は主にボランティアが行う。県内に公立校はまだない。
城之内さんは、義務教育未就学者や小学校卒業のみの人が全国に約90万人おり、津山市については人口比率で県内ワーストであることを指摘。「津山は県下で最初に公立校を作る意味があり、それだけの潜在的なものがある」と強調した。「基礎教育の保障は大事で、多様な選択肢の一つ。夜間中学校を通じて今の教育を考えるきっかけにしてほしい」と呼びかけ、参加者は熱心に耳を傾けた。