岡山県津山市にある美作大学このほど、本年度第1回「美作学講座」が開かれ、市民ら74人が津山地域の歴史について学んだ。
元津山郷土博物館長で市史編さん委員の尾島治さんが「旧津山藩士族たちの明治維新―家禄奉還者未済金額請願及び復禄請願の経緯―」を演題に講演した。
同博物館に寄託されている「太田家資料」4点を基に、突然収入を失った武士たちがそれまでの家禄を廃止することを目的とする秩禄処分における不公平さと戦う姿勢を通して、明治維新の一側面を解説。旧津山藩士族たちの代理人を務めた榊原貞一の奮闘の様子、請願書の提出、帝国議会での議論などについて述べた。
「この請願に関わった人たちによって資料が確実に引き継がれ、その努力で当時を知ることができる」と結び、参加者は熱心に耳を傾けた。
市と同大との連携事業。25日に開く第2回「美作学講座」の受講者を募集中。講師はヘリテージマネージャーで建築士の山崎真由美さんで、「市民と士族が残した鶴山館」について話す。午後1時半〜。申し込みは10日までで、定員は100人程度。参加無料。
申し込み、問い合わせは、市生涯学習課(☎0868‐32‐2118)。