津山市 小中学校の将来構想検討委員会 提言書提出

教育・保育・学校
         

 今後の津山市が目指す学校教育のあり方を検討してきた「小中学校の将来構想検討委員会」(委員長・髙塚成信岡山大学学術研究院教育学域教授、8人)は30日、魅力ある学校づくりの体制整備の方策などについてまとめた提言書を有本明彦教育長に提出した。
 3章で構成。第1章では、市の義務教育の状況と課題に「児童生徒数の減少」「確かな学力の育成」「自己肯定感の醸成」「不登校への対応」「地域に開かれた教育」「学区との関わり」の6項目を挙げている。
 第2章「魅力ある学校づくり」は三つの視点を整理。①「つながり学び合う学校づくり」は、多様な考えを持つ子どもたちが、体験を通して学び合う機会の保障②「小中連携による学校づくり」は、指導形態の違いなど学校文化を超えてスムーズな接続を図る③「地域とともにある学校づくり」は、地域は実生活・実社会について体験的・探究的に学習できる場としての役割を果たすことが期待される―としている。
 第3章「体制整備の方策」では具体的な選択肢を提示。児童生徒数の減少に伴う「過小規模校が発生する場合」には、▽複式学級▽近隣小学校との統合▽小中一貫型小・中学校▽義務教育学校―を示した。「学校規模に関係なく、小中一貫教育を推進する場合」は▽中学校と単独(または複数)の小学校との小中一貫型小・中学校化▽中学校と単独(または複数)の小学校との義務教育学校化―の検討が考えられるとし、それぞれに想定されるメリット・デメリットを記している。
 方策だけでなく「どのような行程で進めていくのかについても複数の選択肢が考えられ、目的や課題など地域の実情に応じて検討すべき」としている。また「地域における学校や保護者、住民が一体となって魅力ある体制整備を検討していくことが重要」として、学校統合の是非には触れていない。
 この日、山北の市教委を訪れた森本宏伸副委員長(鶴山小学校長)が有本教育長に提出した。リモートで出席した?塚委員長は「学校は地域の一つの核として重要な役割を果たしている。地域との密なコミュニケーション、意見交換を通して子どもたちにとってどうあるべきかを考えてほしい」とあいさつ。
 有本教育長は「提言書の趣旨を実現するため、学校教育のあり方や学校体制整備の基本方針素案を策定していく。保護者や住民、学校関係者に提言内容を踏まえた素案を丁寧に説明し、意見を聴取しながら方針を決定したい」と述べた。
 同委員会は、人口減少やデジタル化の加速などによる社会情勢・教育環境の変化の中、より充実した学校教育の実現を図る目的で昨年7月に設置。7回の議論を重ねてきた。


有本教育長に提言書を手渡す森本副委員長(右)


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