落合文化協会の本年度文化講演会が19日、真庭市落合垂水の落合総合センター(岡山県真庭市)で開かれ、津山市の歴史研究家・橋本惣司さん(真庭市鹿田出身)が「人や物を運んだ道〜高瀬舟と往来〜」と題して話した。
県内にかつてあった川湊(みなと)の位置を示し「高瀬舟は古くから中国山地の生産物を備前に運び、備前から生活用品を上流地域に運ぶ重要な役割を果たした」と説明。津山城下、久世、落合などの川湊を絵図や古写真で紹介し、蔵が並んだ町の様子や1艘(そう)に70〜80俵の年貢米を積んでいたことなど、参加者約140人は往時に思いをはせた。
江戸時代に伊能忠敬が日本地図の測量でこの地を訪れたことや、橋本さんが昨年、高梁市の旧家で村人が伊能忠敬を手伝った様子を伝える資料を発見したことにもふれた。「村沿いの多くの協力があって、大事業である精密な日本地図が完成した」とし、来場者は興味深そうに耳を傾けていた。
津山市の歴史研究家・橋本惣司さんが「人や物を運んだ道〜高瀬舟と往来〜」と題して文化講演会 / 岡山県真庭市