津山市出身日本酒研究家、紀行作家・箕浦淳一さん

歴史・文化
         

津山市出身の日本酒研究家、紀行作家・箕浦淳一さんが昨年7月、67歳で、日本酒への情熱を注いだ13冊の著作を残し、この世を去った。箕浦さんが生前、代表を務めていた津山生?造り研究会が、「箕浦さんの造り酒屋への愛情を多くの人に届けたい」と、著作の管理、販売を始めた。
 箕浦さんは津山高校卒。オーディオメーカー勤務を経て、1983年、「武蔵乃里」田中酒造場(美作市古町)の蔵人に。酒蔵巡りを始めたのは1980年。上原浩さん(元鳥取県工業試験場酒類科科長)に師事し、酒造技術指導者兼物書きとして全国津々浦々の造り酒屋を訪れた。
 代表作は、ひたむきに昔ながらの手法で酒を醸している地方の造り酒屋を取材した『吟醸巡礼?〜?』(?は絶版)。このほか酒造りを解説した『読む純米酒』、南部杜氏伊藤勝次伝記小説『ひとり旅』、小説『筑後平野』、ルポタージュ『酒造界、至近距離の真実』など。
 同会会員で箕浦さんと50年来の付き合いがあった、日上の秋久憲司さん(70)=市議会議員=は「箕浦さんは、一言でいえば、酒飲みの文豪。生涯をかけて心血を注いだ作品には、日本全国でひたむきにおいしいお酒をつくりたいと願ってきた人たちの情熱が詰まっている。この箕浦さんが発掘した多くの熱い思いを埋没させることなく、一人でも多くに人に伝えたい」と話している。
 同会では、箕浦さんから預かった著作を県内の図書館や、作品に登場する造り酒屋などに寄贈。一般には定価の半額で販売している。
 問い合わせは、事務局の佐藤さん(■090―8284―6638)。
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箕浦淳一さんが残した著作


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