来年の干支(えと)は丑(うし)。師走が近づき、田町の津山民芸社では、「作州牛」の竹細工作りが真っ最中だ。
漆黒に染めた真竹のパーツを組み立て、角と耳を付けた頭を振り子で揺らぐよう胴体につる。背中には赤い布をあしらったイグサの鞍(くら)を掛け、紅白の手綱などを飾り付けていく。
1956年に考案、85年には年賀切手のデザインに使われ、97年に「全国推奨観光土産品審査会」で運輸大臣賞を受賞した同社の代表作。牛馬の神として知られる中山神社(東一宮)で、昭和初期まで見られた初詣での牛の晴れ姿をモチーフにしている。10~35㌢の8サイズがあり、値段は1300円~1万5000円。
「ゆっくり着実に歩む牛にあやかり、来年は世の中がいい流れに向かい、コロナ禍が収まるよう願いを込めてこしらえている」と職人歴66年の白石靖さん(82)。暮れにかけて計約800個を仕上げる。
問い合わせは、津山民芸社(☎224691)。
P
次々に仕上がっている作州牛の竹細工
津山民芸社、「作州牛」の竹細工作りが真っ最中
- 2020年11月19日
- 経済・産業