岡山県津山市西新町の津山洋学資料館で、スポット展示コーナーが更新され、津山藩医・箕作阮甫の孫で、海洋動物学者の箕作佳吉(1858~1909年)に関連した新たな資料がお披露目された。佳吉の功績と人となりがうかがえる著書や手紙に来館者たちが高い関心を寄せている。
同館と関わりの深い東京都に住む佳吉のひ孫・箕作重秋さん家族が4月に寄贈した40点の中から5点、研究室で撮影された本人の肖像写真を載せたパネル1点を展示。
亡くなる3年前の1906(明治39)年に国から送られた「勲二等瑞宝章微章」をはじめ、書き記した動物学の入門書や研究書物などが並ぶ。中でも妻の安子に宛てた手紙では文面に深い愛情が見られ、愛妻家だった一面を知ることができる。さらに出生時の命名書では、当初の名前が「嘉橘(かきち)」で祖父の阮甫が名付けたという新たな事実が判明し、訪れた人たちの興味を引いている。
松田拓磨学芸員は「妻への愛情にあふれた人間性がわかる興味深い資料。ぜひ一度見てもらえたら」とPRしている。
開館は午前9時~午後5時(入館は4時半)で、月曜休館、祝日の翌日、年末年始が休館日。入館料一般300円、高校・大学生・65歳以上200円。
問い合わせは、同館(TEL:0868-23-3324)。