津山郷土博物館の企画展「津山藩の武具―残された文書から―」が山下の同館で開かれている。同藩松平家に残されていた藩政文書とともに、津山城に備えられていた武具などを紹介し、来館者が興味深そうに見入っている。21日まで。
戦がなく太平の時代であった江戸時代でも、武士は武具を価値あるものとして大切にしていた。また、大名家は幕府から軍役を課せられており、戦いの準備を怠ることはできなかったという。3階会場に、県重文に指定されている藩政文書をはじめ、県重文「大身槍(やり)」、市重文「脇差」など32点を展示した。
「御宝剣・御拝領・御由緒 三品御腰物帳」には、津山藩松平家に伝わる家宝の刀剣や幕府から拝領したものについて製作年代や作者、形状などが詳しく記述されている。松平家家宝の刀剣の茎(なかご、柄の部分)の拓本である「御宝剣茎押形入」といった貴重な資料が一堂に並び、目を引く。
津山藩ゆかりの武具としては、松平家の上級武士の家に伝来し前立に同家の合印「剣大」が使用された具足や、源頼光が怪物の酒呑童子(しゅてんどうじ)を切ったという伝説を持つ太刀「童子切安綱」の写しなどがあり、訪れた人たちは一点一点熱心に見学している。
入館料は一般300円、65歳以上・高校・大学200円。午前9時~午後5時。月曜休館。
問い合わせは、同館(☎224567)。
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津山藩の武具などが並ぶ企画展