津山高校(岡山県津山市椿高下)で26日、津山市出身の国際政治学者で早稲田大学名誉教授の天児慧さん(73)を講師に招いたオンライン授業があり、生徒が「コロナパンデミックと民主主義」をテーマにした話を通じて現代社会について考えた。
教科の枠を超えた専門的な内容を学ぶ科目の「ソーシャルサイエンス」(人文社会領域)を選択する2年生11人が受講した。
中国情勢に詳しい天児さんは、哲学者のホッブスが著書『リヴァイアサン』で説いた集権的独裁の政治理論は、現代の中国政府の様相と重なる部分が多いと指摘。コロナ禍に対する中国、日本政府の対応の違いなどを引き合いに、「権威主義と民主主義にはそれぞれ長所と短所があり、政治のあり方を二者択一で考えるのも難しい」などと生徒に語った。
牧原ゆうさん(16)は「実際に見たり聞いたりした内容だったので現実味があった。日ごろの授業で触れない事を多面的に学べた」と話した。
同校ではソーシャルサイエンスのほか、「ナチュラルサイエンス」(自然科学領域)、「メディカルサイエンス」(医療領域)の3系統の設定科目を設けており、外部講師による授業はそれぞれ年5回程度行っている。
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天児早稲田大学教授の授業を受ける生徒
津山高校 天児慧さんオンライン授業
- 2021年6月28日
- 教育・保育・学校