「江戸時代の武家屋敷庭園を後世に残したい」。作州忍者鶴山隊(河部克己隊長)は、一昨年3月から月に1回、岡山県津山市の津山国際ホテル跡地の元「鶴泉苑(かくせんえん)」の清掃活動を続けている。落ち葉が積もりうっそうとしていた庭は、市の整備事業も本格的に始まり、かつての姿がよみがえりつつある。
園庭は江戸時代の築造。森家時代は関大蔵、松平家の時代は笹木兵左衛門の庭だった。温知会誌によれば幕末は小須賀家屋敷が確認できる。庭園には巨大な岩盤が露出。斜面にはモミジや松などが植えられ、季節ごとに彩りを添えていた。津山国際ホテルの庭「鶴泉苑」としても親しまれていた。
2014年の津山国際ホテル閉鎖後は市が定期的に手を入れていたものの落ち葉が積り、雑木が生い茂るなどしていた。作州忍者鶴山隊が清掃奉仕を始めたあと、市が竹林を伐採。市は今年3月までに元々あった松やモミジなどを残し、雑木などを切って手入れをする予定。国際ホテル跡地は市による整備が進んでおり、往年の姿での保存も決まっている。
22日は忍者隊13人が集結。環境清掃ボランティア用の45リットルごみ袋約20袋分の落ち葉を集めた。「得丸」こと得能良平さん(75)=津山市=は「津山藩の重臣の庭。武家の庭園は津山にはほとんど残っていない。自然を生かした庭園は趣があり、素晴らしく雰囲気が良い。市民の憩いの場になれば」と話していた。