日本酒「加茂五葉」や「津山ビール」でおなじみの多胡本家酒造場(岡山県津山市楢)は、今まで製造していた果実リキュールを一新したクラフトリキュール「MIMASAKA FRUITSH(ミマサカフルーシュ)美作果酒」シリーズの販売を始めた。果実の甘さを生かしつつ、すっきりとした味の逸品に仕上げている。
同ブランドのラインアップは勝央町、津山市産の果実を活用した無添加の「南高梅」「清水白桃」「黒葡萄」「柚子」の4種。サトウキビを原料にした従来の醸造アルコールを長期熟成した自社醸造の米焼酎に変更し、そこに指定農園で収穫された梅、白桃、ブドウ、ユズを完熟させてそれぞれ氷砂糖と一緒に6~9ケ月漬け込んでおり、焼酎に果実のエキスが溶け込んだ奥深い味わいとふくよかな香りが楽しめるようになっている。アルコール分は12~14%。
元々同社で販売していた「作州梅酒」や「ピオーネフルーシュ」といった個々の商品の製造方法やパッケージ、サイズを見直して一つのブランドとしてまとめることで、幅広い層に親しみを持ってもらうほか、津山圏域の産品をPRして県北の手土産品としての販路開拓も図る。
パッケージは「あそびのデザイン」をテーマに活動する県出身のグラフィックデザイナーらのユニット「COCHAE(コチャエ)」が手がけており、リキュールを製造する際の素材へのこだわりや丁寧な仕込み、手作りの良さを表現した切り絵風のロゴや果実のアイコンが印象的で目を引く。
商品は1本(250ミリリットル)税込み990円。同社の直売所や公式オンラインショップ、県内の酒販店、ザ・シロヤマテラス津山別邸で販売中。今後も販路を広げていくとしている。
多胡真佐子取締役は「朝夕の寒暖差が激しい津山圏域では甘みの強い果実ができる。そのおいしさをお酒で楽しんでほしい。ストレート、ロック、ソーダやミルク割りなどお好みでいただいてもらえたら」と話している。

