岡山県津山市河面の清瀧寺で16日、古くなった仏壇仏具のお焚(た)き上げ法要が営まれ、高々と上がる炎とともに大切に扱われた品々が供養された。
参列した檀信徒らを前に滋澤弘典住職(61)が「大事にしていた仏具や人形にはその人の念が移るとも言われている。自身や先祖の念のこもった品はきちんと手順を踏んで仏のもとに帰していこう」とあいさつ。
読経や御詠歌講の女性8人の歌と鈴、鉦(しょう)が響く中、護摩壇に火がともされ、総代たちが持ち込まれた古い位はい、仏壇、神札、人形などを次々と投げ入れた。参列者たちは焼香をした後、勢いよく燃える火を見つめて静かに手を合わせた。
最後に滋澤住職は「先祖から代々命が受け継がれ、多くの人に守られて今の自分が存在している。常に感謝の気持ちを忘れずに精進してほしい」と説いた。
毎年参列しているという近長の中島幸子さん(68)は「今年は亡くなった父との思い出を振り返りながら位はいなどを供養した。例年はお守りを供養しており、お焚き上げは一年を締めくくる大切な儀式のように感じている。ここで気持ちを新たにして来年の準備を進めていきたい」と話していた。
同儀式は、同市の仏具店・法林堂の協賛で毎年行っている。
