稲刈りを終えた田に並ぶ■わらの家■。近年ほとんど見かけなくなった「わらぐろ」が、下高倉東の大規模農道に沿いの田んぼに今年もお目見えし、郷愁を誘っている。
わらぐろを作るのは、同所の農業・難波雅昭さん(87)と妻の紀子さん(82)、息子の充昭さん(52)。はぜ干しして乾燥させ、脱穀したキヌヒカリのわらを使い、秋晴れの7日に作業した。穂先を中心に向けて束を積み重ねた後、屋根を作り、雨水が入らないように先端部を編んだもちわらの■笠■をかぶせて仕上げる。この日、2基を完成させた。辺りには乾いたわらのにおいが漂い、懐かしさを感じさせる。
祖父と一緒に作り始めてから、70年以上になる雅昭さんは「周囲で見ることがなくなったわらぐろを今年も無事に作ることができ、ほっとした」。充昭さんも「両親が頑張っているので、これからもその手伝いができれば」と汗をぬぐった。
2月ごろに撤去し、飼育している和牛の餌にしたり、子牛が産まれた時の敷きわらにしたりする。
郷愁誘うわらの香り 近年では珍しい「わらぐろ」お目見え 懐かしさ感じる2基完成/岡山・津山市
- 2021年10月8日
- 自然