件数減も死者は増加 消防組合管内の火災状況 報知器未設置や野焼きに注意を/岡山・津山市

事件・事故 今年4月に城東地区で発生した大火災
今年4月に城東地区で発生した大火災=岡山県津山市で
         

 岡山県津山市などを管轄する津山圏域消防組合は、本年度上半期(1〜6月)の管内の火災発生状況をまとめた。総件数は53件で、前年上半期の80件と比べて減少している。傷者数は10人(前年11人)の一方で死者数12人(同1人)と増加した。

 主な出火原因は、「その他」に分類されている計30件(前年同比11件減)を除き、「たき火・火入れ」が最も多く14件(同13件減)、2番目は「炉・かまど類」で3件(同2件増)。昨年2番目に多かった「たばこ」は1件(同3件減)となっている。このほか、不審火が2件発生している。

 種別では、工作物などの「その他」を除き、「建物」が22件(同5件減)、「林野」6件(同5件減)「車両」1件(同2件減)。建物火災では8人の死者と7人の傷者、その他で4人の死者と1人の傷者が出ている。

 死者数の増加について消防本部予防課は「建物火災では家庭用火災報知(警報)器を設置していないため気づくのに遅れたケースが、その他では野焼きなどの際に火が衣服に燃え移って亡くなるケースが見られた」という。「危険にいち早く気づいて逃げられるように報知器は必ず取り付けてほしい。また、火をおこす際は、耐火性のある服を着て、万が一に備えて2人以上で行うようにしてほしい」と注意を促している。

 また今年は、4月に重要伝統的建造物郡保存地区の城東地区で大きな火災が発生。同署の消防隊員と団員合わせて75人、消防車計11台が出動し、約4時間半で消し止められたが、近隣の民家やコーポなど6棟が巻き込まれる惨事となった。けが人はなかった。

 原因は現在も調査中で、同課は「火の元に十分注意するほか、火のけがないか見回るのも防火対策として効果的。貴重な文化財や建物をみんなで大切に守っていってほしい」としている。


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