水面上にせり出した木の枝先などに「卵塊」と呼ばれる白い泡に包まれた卵を産み付ける「モリアオガエル」が、岡山県真庭市蒜山地域で産卵期を迎えた。
蒜山下和の自然公園・津黒いきものふれあいの里では、例年並みの5月16日に卵塊が確認され、カエルたちが恋の季節に入った。池の周辺で「ココココ」と求愛する鳴き声が響く中、体長8センチほどの雌に一回り小さな雄が数匹しがみつき、脚でかき回しながら、メレンゲ状の卵塊を作り出している。
一つに300~800個ほどの卵が入っているといい、1週間ほどでオタマジャクシになって水中へ落ちる。産卵は雨上がりの湿った夜から明け方にかけて盛んになるといい、今月中旬までがピークの見込み。
日本の固有種で、県版レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定。雪江祥貴館長は「子孫を残すための大切な行動なので、見かけたら少し距離をとって見守ってほしい」と話している。