盤上に火花 美作アマ将棋名人戦挑戦者決定大会 名人位獲得をかけて/岡山・津山市 

歴史・文化 盤上に火花を散らす挑戦者決定大会と一般大会=岡山県津山市で
盤上に火花を散らす挑戦者決定大会と一般大会=岡山県津山市で
         

 第73期美作アマ将棋名人戦挑戦者決定大会(津山朝日新聞社主催、日本将棋連盟津山支部主管、津山キッズ将棋教室協力)が7日、岡山県津山市大谷の中央公民館で開かれた。息詰まる熱戦の結果、村田洋一四段(63)=会社員、小原=と川口剛五段(58)=自営業、皿=の2人が並み居る強豪を撃破。名人位獲得をかけて8月11日、高野本郷の津山キッズ将棋教室で、三番勝負で対局することになった。

 今期は前期、土山泰輝四段(美咲町、津山高専2年)が3期連続で名人位を獲得して「永世位」を取得したことで、空位になった名人位に挑戦する2人を決める大会となった。

 小学生から中堅、ベテランまで腕に覚えがある美作棋界きっての27人が出場。くじ引きをしてA、B二ブロックのトーナメント戦(15分、20秒秒読み)で実施した。精鋭ぞろいのため目が離せない対局ばかりで、盤上に火花を散らした。

 Aブロック決勝は、丸尾政行初段(美作市)、横山英治三段(真庭市)、船曳哲世初段(川崎)を退けた村田四段と、小林正典三段(大谷)、本多邦洋三段(下高倉東)を破った橋本圭司三段(美作市)が対戦。先手・村田四段の鳥刺しから変化した右玉に対し橋本三段は向い飛車穴熊で対抗。中盤戦では駒組でやや作戦勝ちをはたした村田四段が優位に立つも穴熊の遠さを生かした橋本三段の猛反撃で僅差の終盤戦に突入する。橋本三段が攻め切れるか否かという展開になるが、ぎりぎりの受けでしのぎきった村田四段が制勝した。最終盤では金捨て犠打の妙手があり、橋本三段にもチャンスがあっただけに橋本三段には残念な一局となった。 

 Bブロック決勝には、田口正浩初段(押渕)、片田一輝三段(勝央町)を破った加治颯太二段(津山高専5)と、林田悠汰初段(津山東中1)、満瑛洋二段(津山高専3)を下した川口五段が進出。先手・川口五段の向かい飛車に対し加治二段は三間飛車で対抗して相振り飛車戦を展開。中盤にさしかかったところで川口五段が技を仕掛けてややポイントを奪うが、加治二段も妥協を許さぬ強気の応戦で粘り強く対抗して優劣不明の難解な終盤戦に突入する。終盤に入ると、角打ちからの好手順で混戦を抜け出した川口五段が粘る加治二段を振り切った。

 村田四段の話 2回戦の負けたと思った試合をしのいで勢いにのった。挑戦者のつもりで挑み、内容の良い戦いをして勝ちたい。

 川口五段の話 決勝は難しかったがうまく切り抜けた。村田さんと指すのは久しぶりなので楽しみ。返り咲きをねらいたい。

  また、一般大会のB級(13人)、C級の子ども大会(16人)も決定戦に負けない熱のこもった対局となった。
 一般大会の成績は次の通り。
 【A級】①土山蒼介二段(旭学園7)②林田悠汰初段(津山東中1)③片田一輝三段(勝央町)
 【B級】①上野祐輔(徳島県三好市)②綱島海斗(高野本郷)③北村聡太(津山高専3)
 【C級】①阪本雄大(河辺小6)②木口赳寿(新見南小4)③大極悠翔(林田小5)

腕を競うB級の棋士たち
腕を競うB級の棋士たち


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