まるで別天地―。厳しい暑さが続く中、美作地域の滝や渓谷では観光客らが天然のミストに包まれながら、ひとときの涼を満喫している。
阿波の布滝は中国山地の黒岩高原を源流とする落合川上流域に位置。落差約50㍍あり、岩肌を斜めに流れる様子が白い布をさらしたように見えることからその名が付けられた。名瀑(ばく)として知られ、四季を通して美しい景色を楽しむことができる。
鮮やかな緑に抱かれた周辺には涼しげな水音だけが響く。訪れた人たちはしぶきが織り成す絶景を眺めたり、澄みきった流れに手を浸したりして歓声を上げている。
加茂町黒木にあるトヤの夫婦滝も涼を楽しめるスポット。二筋に分かれて落下する様子が仲の良い夫婦に見えることから名付けられたという。水量が多い右側を夫滝(落差約20㍍)、細い流れの左側を婦滝(約10㍍)と呼ぶ。
多くの観光客が訪れる黒木キャンプ場のほど近くに位置。岩を伝い落ちる”シャワー”は涼感にあふれ、細かなしぶきが舞い飛んでひんやりとした空気を振りまいている。
2歳の子どもを連れて初めて訪れたという市内の主婦(39)は「平地より涼しくて子どもも大喜び。機会があれば、それぞれの滝の近くの施設でキャンプやグランピングも楽しみたい」と話していた。
県北の瀑布 「布滝」「トヤの夫婦滝」
- 2021年8月11日
- 自然