県古代吉備文化財センターは国道429号の改築工事に伴い5月から、美作市古町の尾崎遺跡の発掘調査を行っている。これまでに古代(奈良〜平安時代)と中世(鎌倉〜室町時代)の集落跡とみられる建物群の柱穴(柱を建てた穴)が多数検出されている。
道路に沿った長さ約200㍍、幅約3㍍の東西に細長い調査地を4区に分けて作業。現在のところ、東端の1区では古代の建物の柱穴、2区では古代と中世の柱穴、西端の4区では中世の柱穴が検出されている。古代の柱穴は直径約60㌢、中世は約30㌢。3区は未調査。
同センターが2005年、06年度に隣接地で行った鳥取道建設に伴う発掘調査では、古代の公的施設の可能性が考えられる建物群が検出されている。今回見つかった古代の柱穴については、同時期に建てられた公的施設の一部の可能性がある。調査を担当する物部茂樹総括副参事は「調査区で公的施設であったことを示す遺物はまだ出土していないが、さらに発掘を進めれば施設の広がりが確認できるのではないか」と話す。
主な遺物としては勝間田焼の椀(わん)、土師器の皿、土鍋、大陸から伝わったと考えられる青磁・白磁の破片、漁具の網の重りである土錘(どすい)のほか、縄文・弥生土器の破片などが出土している。
調査は10月まで行われる。
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古代と中世の柱穴が検出されている美作市古町に尾崎遺跡