岡山県津山市で暮らすベトナムの人たちに読んでもらおうと、県身体障害者福祉連合会長の藤田勉さん(79)=津山市=が26日、交流を続けているベトナムから贈られた同国の歴史絵本2冊を市立図書館に寄贈した。同館は洋書コーナーに設置して貸し出す。
同連合会津山支部長でもある藤田さんは県下に呼びかけて、中古の車いす1000台以上を東南アジアに贈る活動に長年取り組んできた。ベトナムへは、連合会と「ビン市障害者と戦争孤児支援機構」との相互交流を通じて寄贈していた。
2009年に津山を訪れたこともある同機構の潘圏議長らとの友好関係の中、藤田さんは潘議長が亡くなった後も孫の慶齢さんと交流。絵本は1カ月ほど前に慶齢さんから贈られてきたもので、英雄として語り継がれる「ハイバチュン(徴姉妹)」の物語と、ベトナムの歴史全体を描いた内容。それぞれ英語で書かれている。
この日、藤田さんは、ダンチャイン(16弦琴)演奏家の三船ヴァンさんとベトナム語通訳の池田由美子さん(いずれもベトナム出身)らとともに同図書館を訪問。「津山に住んでいるベトナム人は多い。絵本がベトナムと津山との心のつながりになればうれしい」とあいさつし、菊入典子副館長に手渡した。菊入副館長は「ありがとうございます。広く紹介し、歴史を学んだり留学したりする日本人にも活用してもらいたい」と礼を述べた。
三船さんと池田さんも「ベトナムのみなさんが図書館を訪れ、読んでもらえたらうれしい。ベトナムの長い歴史は日本の人々にとっても勉強になると思う」と話していた。
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ベトナムの歴史絵本を寄贈する藤田勉さん(左)