矢内さんが保護する「ジャコウアゲハ」、三月下旬に羽化/岡山・鏡野町

自然
         

 「ジャコウアゲハ」の保護活動を始めた岡山県苫田郡鏡野町の矢内州子さん(69)が、役員を務めている古川の会社内で初めて越冬させたサナギが、3月下旬に羽化した。黒い羽根に朱の斑点がある雄2羽。鏡野自動車工業の空きスペースで約100個のサナギを越冬させており「これから次々に優雅な姿を見せてくれるのが楽しみ」と話している。
 2羽は、事務所の壁でサナギになり、暖房が利いていたため寒い時期でも羽化。事務所内をゆっくり飛び回っていたが、自然の花の蜜を吸わなければ生きていけないことから外へ逃がした。越冬したサナギは通常4月下旬から羽化する。
 矢内さんは3年前、長年保護活動をしている同町布原の赤木良夫さんから幼虫が食べる「ウマノスズクサ」を分けてもらい、会社そばの空き地で栽培。昨年、ジャコウアゲハがその食草に卵を産みつけた。幼虫からサナギ、サナギから羽化するのを手助け。6月1日から11月6日までの間にその数約300羽にのぼったという。
 「見ていると癒される。今年もたくさん羽化させたい」と矢内さん。赤木さん(85)は「ジャコウアゲハは鏡野町の蝶に制定されているが、保護活動をしている人は少なく、矢内さんの活動はとてもありがたい」と話している。
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事務所内で羽化したジャコウアゲハ


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