「節分」の3日、岡山県津山市の石山寺で「星祭大護摩厳修」が開かれ、多くの檀徒や参拝客たちが境内で行われた大護摩供や豆まきに参加し、開運や厄除(よ)けなど祈願した。
同寺は津山藩主・森忠政が、津山城の石垣に使う石材を同所から切り出す際に、無事故などを願い家臣に命じて仏教の守護神である摩利支天を勧進して祭ったと伝わる。
始めに本尊が示現したとされる石切り場跡の霊岩の前で、勇壮な大護摩供を実施。加藤圓祥住職と山伏姿の僧侶7人がほら貝を吹き鳴らすなどして厳かに儀式を執り行い、護摩壇に点火した。参拝者らは無病息災、家内安全といった願い事が書かれた護摩木を炎の中に次々とくべ、静かに手を合わせた。
その後、裃(かみしも)姿の年男年女5人が特設舞台に上がって「鬼は外、福は内」の掛け声を響かせながら福豆や福銭、ミカンを投げ、子どもからお年寄りまでみな、歓声を上げて手を伸ばしていた。
親戚や祖母らと参加した友次一颯君(6)=津山保育園=は「小学校に楽しく行けるようにお願いした。たくさん豆やミカンを拾って楽しかった」とにっこり。檀家の総代長・三谷元さん(79)=大谷=は「檀徒のみなさんが熱心に準備を進め、この日を迎えることができた。若い世代が引き継ぎ、この先も続けてもらいたい」と話した。