岡山湯郷ベルは21日、9年振りの電撃復帰を発表した福元美穂選手(41)の記者会見を新しくなったばかりの美作市役所(岡山県美作市美来)で開催。福元選手は集まったサポーターを前に「やり残したことがあり、覚悟を決めて帰ってきた。クラブの力になれるよう全力を尽くしたい」と喜びと決意を語った。
福元選手は、かつて岡山湯郷ベルの守護神として活躍し、日本代表としても数々の栄誉を手にしたゴールキーパー。2016年に15年間過ごしたベルを離れ、その後は他クラブでプレーしていた。
会見で福元選手は「今シーズンサンフレッチェ広島レジーナで引退しようと考えていたが、ずっと心に引っかかっていたことがあって、それは湯郷ベルへの思い」と明かした。「高校卒業後、ベルに育ててもらった。感謝を伝えられていなくて、このまま引退したら一生後悔するのではないかと悩んでいた。そして出した答えが、最後にベルのユニフォームを着ることでした」と話した。
「9年前と変わらないのは人の温かさ。今日も多くの人に集まっていただき、本当に幸せです」とあふれる思いを述べた。「どんなプレーを若い選手、サポーターに見せたいか」と問われると、「サッカーはチームスポーツ。チームが一つになって戦う姿を見ていただきたい」と力強く語った。
また「ベルは地域、サポーターの皆さんに支えられているチーム。湯郷のまちから女子サッカーで日本を元気にしたい」と意欲を見せた。
高橋寿輝GMからユニフォームを受け取ると、新背番号「39」を発表。「サンキュー、と感謝の思いを込めた」と顔をほころばせた。
高橋GMは電撃復帰の経緯について「4月頭に移籍の話があり、福元選手の熱い思いに胸を打たれた」と説明。「チームを未来につなげていくにあたり、福元選手と宮間あや選手に何らかの形でかかわってほしいと以前から考えていて、まさか選手のうちに来てくれるとは思ってもいなかった。福元選手が美作市にいると、灯りがともったようになる。新たなステージに行くためのスタート」と期待を寄せた。
福元選手は6月1日の登録で、次の試合は8日のアウェー選が予定されており、福元選手の出場が注目されている。
