第31回「BELCA(ベルカ)賞」に真庭市の2施設

総合 勝山町並み保存地区の景観に溶け込んでいる真庭市立図書館
勝山町並み保存地区の景観に溶け込んでいる真庭市立図書館
         

 真庭市立中央図書館(岡山県真庭市勝山)と湯原ふれあいセンター(同市豊栄)が、長期にわたって維持保全につとめたり優れた改修をしたりした建築物に贈られる第31回「BELCA(ベルカ)賞」(ロングライフビル推進協会主催)を受賞した。
 選考は学識経験者や建物の設計、建設、設備、メンテナンスといった各分野の実務に精通した同賞推進協会メンバーで行っている。2件は社会的な状況などを考えて改修・改築し飛躍的に存在価値を向上させたとして「ベストリフォーム部門」に選ばれた。同部門には計7件、適切な管理によって長い間保全されている建物に贈る「ロングライフ部門」に3件が選ばれている。1991年度の初回以降これまで計306件が各部門で表彰されている。
 中央図書館は、築41年が経過した旧勝山振興局庁舎を改修して2018年にオープン。綿密な点検を経て耐震補強と補修工事を行い、今後約50年間利用できるように耐震性を上げ、環境的な負担を軽減した構造になっている。設計技術の高さのほかに、真庭市のCLT(直交集成板)などを使って仕上げた温かみのある外観が、勝山町並み保存地区の景観に即しているといった点、余剰となった公共施設を活用可能な資産と見立て、市民サービスや利便性を向上させる明確な意思を持って実現されており、「公共施設のあり方を示している」と評価された。
 湯原ふれあいセンターは、旧湯原振興局庁舎の老朽化に伴い改修工事を実施。20年に湯原図書館、公民館、振興局、市民センターの機能を併せ持つ複合施設として生まれ変わり、施設の管理の効率が上がった。カフェを開くこともできるキッチンを備えた交流スペースがあるなど町民や訪れた人たちの活動拠点、居場所にもなっている。「新しい公共複合施設のあり方の手本になる」として評価を得た。
 同市建築営繕課は「受賞はとてもうれしい。設計や建築に尽力した人たちに感謝するとともに、今後も来館者が快適に過ごせるように建物を大切に管理していく」としている。
p1
勝山町並み保存地区の景観に溶け込んでいる真庭市立図書館

湯原ふれあいセンター
p2 地域の交流、活動拠点としても機能する湯原ふれあいセンター


>津山・岡山県北の今を読むなら

津山・岡山県北の今を読むなら

岡山県北(津山市、真庭市、美作市、鏡野町、勝央町、奈義町、久米南町、美咲町、新庄村、西粟倉村)を中心に日刊発行している夕刊紙です。 津山朝日新聞は、感動あふれる紙面を作り、人々が幸せな笑顔と希望に満ちた生活を過ごせるように東奔西走し、地域の活性化へ微力を尽くしております。

CTR IMG