緊急事態宣言、全国へ 観光施設から人影消える/岡山・津山市

経済・産業
         

 新型コロナウイルスの感染増加に対応する「緊急事態宣言」が全都道府県に拡大したのを受け、観光施設を含む大部分の公共施設を休園・休館した岡山県津山市。最初の土日となった18、19日、外出自粛の動きはさらに広がり、市内観光地からは人影が消え、閑散とした。
 「これまでにないまちの静けさに驚いた」。津山を代表する観光スポットの一つ、城東地区で小物販売を手がける女性(60代)が、出雲街道を眺めながら不安そうに話す。
 地区では18日から津山洋学資料館、箕作阮甫旧宅、城東むかし町家、作州城東屋敷、観光案内所の和蘭堂などが休館に。例年だと初夏へと続く絶好の行楽シーズンだが、外出自粛のあおりを受けて春先以降、観光客は大きく減少。宣言が出されてからその傾向が一層鮮明になったといい、通りには住民の姿が時折見られる程度だ。
 「朝から店にはだれも来ないし、人通りはまったくない」と女性。「店を経営する以上、お客さんには来てもらいたいと思うが、やはりコロナに感染するのが一番怖い。ゴールデンウイーク(GW)中は閉めようと思う」と打ち明けた。
 過去にない厳しい状況の中、街道沿いで営業を続けてきた飲食店の中にも自粛の動きが出始めた。玄関には「感染防止のため…」と、しばらく休業を告げる張り紙が見られた。
 地区でボランティアガイドをしている男性メンバーも「4月はツアーバスも入って来ず、案内はゼロ。キャンセルされたり、こちらから断ったりした。かつてない事態だ」と深刻さをにじませた。
 市内施設の休園・休館は5月11日まで続く。国史跡・津山城(鶴山公園)は入場口の門を締めた。18日は知らずに訪れた観光客と思われる人たちが引き返していく姿も見られた。大谷の津山まなびの鉄道館は3月28日に営業を再開したが、20日から再び休館となった。
 レジャー客らが訪れるグラスハウス、黒木キャンプ場、阿波森林公園なども閉鎖している。グラスハウスによると、例年のGW中は関西圏を含めた県外からも多くの人が来場し、一日300〜500人でにぎわうという。職員は「不特定多数の人が集まる施設なので、お客の安全を考慮しなければ」と警戒感を示した。
 一方でGWを過ぎても続く措置に「長すぎる」との不満も聞かれた。先行きが見えない中、ある観光関係者はこう話した。「あらゆる業種がコロナの影響に巻き込まれている。経済状況が全く変わってしまった今、想像以上の事態を覚悟しなければならない」

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1人通りが消えた城東地区の町並み=18日午後

2門を締めて休園している津山城(鶴山公園)=18日午後


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