第70期美作アマ将棋名人戦挑戦者決定大会(津山朝日新聞社主催、日本将棋連盟津山支部主管、津山キッズ将棋教室協力)は11日、大谷の中央公民館で開かれた。息詰まる熱戦の結果、成長著しい中学生の土山泰輝三段(13)=旭中2年、美咲町=と、実力者の横山大作三段(39)=公務員、真庭市=の2人が並み居る強豪を撃破し、初の名人位獲得をかけて24日、高野本郷の津山キッズ将棋教室で、三番勝負で対局することになった。
福田邦夫社長が「コロナ禍の中、今年もしっかりとした感染予防対策を施し、世代を超えて開催できることに感謝します。思い出に残る大会にしてください」とあいさつし、対局に移った。
今大会は昨年、史上最年少で名人位を獲得した白石智也名人が、奨励会試験に合格・入会したことにより、規定により空位となった名人位を競う2人を決める大会で、小学生から中堅、ベテランまで腕に覚えがある美作棋界の23人が出場。くじ引きをしてA、B二ブロックのトーナメント戦(20分、30秒秒読み、決勝のみ25分、30秒秒読み)で実施した。精鋭ぞろいのため目が離せない対局ばかりで、盤上に火花を散らした。
Aブロック決勝には、井戸千揮初段(高校2年)、永世名人の沢修治四段(皿)を破った土山三段と、村地新初段(高専1年)、橋本雅典初段(小学5年)を下した小林正典三段(大谷)が進出。先手・小林三段の陽動振り飛車に対して後手・土山三段は居飛車穴熊の堅陣を築くが、駒が偏りすぎて手薄になった7筋から手を作った小林三段がペースをつかんだ。じっくりした展開になると非勢が拡大すると見た土山三段は、防御不可能になった左辺を明け渡して飛車を大きく展開する勝負手を放って玉頭戦に持ち込むと、堅陣を生かした強手で逆転し、寄せ切った。
Bブロック決勝は、池嶋勇人初段(高校3年)、丸尾政行初段(美作市)、森田啓大三段(川崎)を退けた横山三段と、中山和徳二段(真庭市)、高谷祥敬三段(真庭市)を破った池田吉輝三段(南方中)が対戦。先手・横山三段の四間飛車に対して後手・池田三段は流行の「エルモ囲い」で対抗。後手が作戦勝ちしやすい展開になったが、中盤戦に突入すると両者一歩も引かない強気の応酬で優劣不明の混戦に突入。終盤戦に入ると池田三段に攻め急ぎの悪手がでて横山三段に形勢が傾き、そのまま押し切った。
土山三段の話 今日は調子が良かった。名人戦までしっかり研究をし、悔いが残らない将棋を指したい。
横山三段の話 苦しい対局ばかりだった。土山三段とは初めてなのでいい勝負になるよう頑張りたい。
また、一般大会のB級(20人)、C級の子ども大会(20人)も、決定戦に負けない熱のこもった対局となった。
一般大会の成績は次の通り。
【A級】①高垣周平三段(久米南町)②片田一輝三段(勝央町)③村地新初段(高専1年)
【B級】①土山史織(旭小2年)②乾篤尭(沼)③大林奨(鏡野町)
【C級】①下山祐生(勝央中1年)②宮﨑修也(美作北小4年)③片山颯大(大原小5年)
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盤上に火花を散らす挑戦者決定と一般大会
美作アマ将棋名人戦
- 2021年7月13日
- イベント