岡山県津山市にあり、美作国一宮の中山神社(一宮、岡本正弘宮司)の末社「惣神殿」(市指定文化財)の保存修理工事が完了し、仮殿からご神体を戻す「正遷座祭」が17日夜に営まれた。厳粛な雰囲気で斎行される祭儀を氏子や市民ら約50人が見守った。
正遷座祭は1913(大正2)年の移築以来110年ぶり。仮殿となっていた本殿で、岡本宮司(59)が祝詞(のりと)を奏上。神職や御祭礼神事保存会員ら15人が、絹垣と呼ばれる白い布でご神体を囲んで惣神殿へと進み、ご神体は無事に戻った。
岡本宮司は「皆さんのお力添えをいただいて無事に修復が終了し、お戻しできたのをうれしく思う。併せて御先社も来年3月末までの修復を計画しているので、引き続きご協力をお願いしたい」と話している。
奉祝祭が25日午前10時半から、同神社で開かれる。
惣神殿は1559(永禄2)年、境内を流れる御手洗川南側に末社や周辺の氏神を合祀(し)して創建。現在の建物は1742(寛保2)年に改築し1913(大正2)年、境内西側に移築された。