美作大学=岡山県津山市=のキャラクター「地域貢剣ミマダイン」の人気が沸騰している。国連が提唱する「SDGs」(持続可能な開発目標)を啓発するヒーローショーを学生たちが披露しており、イベントなど出演依頼が殺到。子どもたちがSDGsへの関心と正しい知識を持つきっかけになればと、親子で学び楽しめる地域貢献活動を繰り広げている。
大学にヒーローの公式キャラがいるのは全国的にも珍しく、SDGsを組み合わせたオンリーワンの取り組み。2021年に同大のテレビCM放映開始に合わせて誕生。スーツは「スーパー戦隊シリーズ」をはじめ、数多くの人気ヒーローを手がけるレインボー造型企画が担当した。学生サークル「チームミマダイン」を結成し、現在、児童学科を中心にさまざまな科と学年の15人程度で活動する。
同年秋の学園祭でのデビュー後、県北を中心とした幼稚園や保育園、企業、商業施設などで披露。大きな反響を呼んで昨年は県南からも声がかかり、イオンモール岡山やコンベックス岡山でのイベントに登場した。2022年12月までに47公演を行い、総観客動員数は延べ4000人に及ぶ。津山署の「一日警察署長」を務めるなど活動の幅を広げている。
口コミなどで人気が爆発し、毎回多くの親子連れらが来場。敵役キャラクターのネガダインやゼツボンバーといった怪人たちとの戦いに、子どもたちは目を輝かせて見入り、客席から「ミマダイン頑張れ!」との声援も。食品ロス削減や早寝早起き朝ごはんなどの内容を織り交ぜ、「食べ残しをしない」「商品は賞味期限の近い手前から取ろう」といったメッセージを伝えている。保護者からは「ミマダインのおかげで食べ残しをしなくなった」との教育的効果も聞かれているという。
オフィシャルグッズがあり、Tシャツやトートバッグ、マグカップ、キーホルダーなど5種類がお目見え。美作学園がソシオ一番街で運営する店「みまっぱぷらざ」で販売している。
学生たちにとってステージは、幼児や児童との関わり方などを学ぶ実践の場だ。ミマダイン立案者の桑守正範短期大学部栄養学科教授は「異色の取り組みで手探りでのスタートだったが、想像以上の反響に驚くばかり。学生たちも人前に堂々と立つ自信をつけて成長している。今年は出身学生の多い沖縄や高知県などでの公演も目指したい」と語る。児童学科2年の平田凌さん(20)も「子どもたちの目の輝きにやりがいを感じる。他の大学では聞いたことがない、美作大学独自の取り組みとして今後も地域に貢献できるよう活動していきたい」と話している。
最新情報はミマダインのツイッターで発信している。
子どもたちに正しい知識を「SDGs」ヒーローが地域貢献活動中/岡山・津山市