美作大学・同短期大学部=岡山県津山市=は26日、1998年の洪水から生還した「奇跡の牛」として親しまれ、今年老衰死した「元気くん」の歌の歌詞が書かれた額装を飼育先があった岡山県勝田郡勝央町に寄贈した。紙芝居を作った縁で学内に飾っていたが、後世に語り継いでもらうために託した。
額は縦約75センチ、横約275センチ。前身の美作女子大の学生が紙芝居「きせきの子牛」を制作したことに感銘を受けた県内在住の書道家・森川星葉氏が、2001年に「子牛の元気君」(作詞作曲・中林淳眞)の歌詞をしたためて贈り、会議室の壁にかけてあった。
町役場で行われた贈呈式で、藤原修己美作学園理事長は「地元に役立ててほしい」と話し、水嶋淳治町長は「記憶、記録に残すのは大切であり、功績を伝えていきたい」と礼を述べた。牛舎があるノースヴィレッジ=勝央町=にブロンズ像を建てる計画があり、同時に被露したい考えだ。
当時生後6カ月だった元気くんは、金屋の牧場から台風で氾濫した川の濁流のみ込まれ、約90キロ離れた瀬戸内海の島に漂着した。今年1月14日、交雑種では国内最高齢の21歳で死んだ。
町産業建設部によると、ブロンズ像の制作費用は約700万円で、9月末までクラウドファンディングや一般の寄付を募集。8月20日現在、約500万円が集まっている。
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美作大から勝央町に贈られた元気くんの歌の歌詞が書かれた額装
美作大学・同短期大学部、1998年の洪水から生還した「奇跡の牛・元気くん」の歌詞が書かれた額装を勝央町に寄贈/岡山県
- 2020年8月28日
- 歴史・文化