美作大学・同短期大学部の沖縄県人会の学生たちは26日、同大体育館(北園町)で太平洋戦争末期の沖縄戦をテーマにした創作劇「時をこえ」を上演し、観客約300人に命や平和の尊さを訴えた。今回は上演10周年と沖縄県本土復帰50周年が重なる記念公演となった。
同会のメンバーが沖縄を訪問し、戦争を体験した人の手記や残っている写真などを参考にして脚本を制作。物語はおだやかな日々を過ごす人たちが争いに巻き込まれていく様子やガマと呼ばれる洞くつの中での出来事を克明に描いている。
1、2年生41人が、米軍の襲来に怯える人々、人間性を失い凶暴になる兵士、ひめゆり学徒隊らの悲しみなどを真に迫る様子で演じた。最後に「命は他に変えることのできない大切な宝。悲劇は繰り返してはいけない」という強いメッセージを受け取った観客は盛大な拍手を送った。
岡山市の福田伸子さん(70)は「学生たちの熱意が伝わってくるすばらしい舞台だった」と話した。
戦争の悲惨さを学生や津山市民らに知ってもらおうと始め、10年の節目を迎えたことについて、実行委員長の上間羽南さん(20)=食物学科2年=は「先輩から受け継いだ思いはとても深いと感じている。この先も後輩たちがその思いを伝えていってほしい」と語った。
美作大学 同短期大学部 沖縄県人会上演