現在保全修理工事が行われている本山寺の霊廟(びょう)と霊廟門の見学会(本山寺霊廟保存修理委員会主催)が30日、美咲町定宗の同寺で開かれた。歴史ファンらは職人の修復技術を目の当たりにし、関心を高めた。
同寺は701(大宝元)年に創建され、1110(天永元)年に現在の場所に移転。仏教の道場、庶民信仰の霊地として栄えた。霊廟は、1652(承応元)年に津山藩主・森長継によって建立されたといわれている。通称「御霊屋」と呼ばれ、1959(昭和34)年に霊廟門とともに県重要文化財に指定された。80年(門は85年)以来の修復となる。
この日は、町内外から訪れた14人が同門の檜皮葺(ひわだぶき)の屋根のふき替えを見学。職人が竹くぎを使ってヒノキの皮を固定する工程などを興味津々な様子で眺めていた。また、霊廟の前では、文化財保存計画協会の技術員から「建物は拝殿と本殿を釣殿でつないだ権現造りが特徴」といった説明を受けながら、その歴史や構造について学んだ。
久米南町下弓削の恒弘平衛さん(84)は「自然を生かした日本古来の建築技法はすばらしい。多くの人に見てもらいたい」と話した。
工事は2020年2月から行っており、完了は今年12月の予定。
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興味深そうに檜皮葺の屋根を眺める参加者
美咲町 本山寺の霊廟(びょう)と霊廟門の見学会
- 2022年7月2日
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