東京・国立競技場で2023年1月8日に行われたラグビーの全国大学選手権決勝で、岡山県久米郡美咲町小原出身の延原秀飛選手(21)=3年=が所属する帝京大が早稲田大を大差で下し、2大会連続11度目の優勝を飾った。地元出身者の攻守にわたる活躍に、町民も歓喜に沸いている。
182センチ、100キロ。チームをけん引する「ナンバー8」は、この日も先発フル出場を果たした。前半26分にトライを決めたのをはじめ、体を張った守備で相手を食い止めるなど、力強いプレーでチームを支えた。決勝史上最多得点の73―20と圧倒し、大学日本一に輝いた。
延原選手は「1年間、部員全員で積み上げてきたものが報われた。みんなで喜べることがとても幸せなことだと実感した」。4年になる来季に向け「メンバーに入れるようしっかり頑張り、3連覇を目指す。目標までのプロセスの中で少しずつ成長していきたい」と語った。
競技場に駆けつけた町民も。保育園と小学校時代の同級生でダウン症のある岡部太陽さん(21)=原田=はフラッグを手に、「よく頑張って勝ってくれた。自分も今年、仕事を(昇格できるよう)頑張りたい」と家族で喜んだ。
中学時代に個人コーチとして指導した杉本一世さん(46)=打穴下、津山ラグビースクール監督=は中継を見守り「彼自身の努力が報われた結果。子どもたちの目標になる選手になってほしいし、スクールのみんなもそう願っている」。
町は11日、優勝をたたえる横断幕を母校の中央中学校に掲げた。青野高陽町長は「攻守の要としてトライを決め、全国制覇したことは町の誇り。頑張ればできるんだと、町の子どもや若者に元気と夢を与えてくれた。最終学年になり、より重要な立場になるだろうが、町を挙げて3連覇を期待している」とコメントした。
延原選手は7歳のころ美作ラグビースクールに入り、中学時代は岡山ジュニアラグビースクールで活動。名門の京都成章高に進み、高校日本代表に選ばれている。フル代表への期待も膨らむ。